昼過ぎから、アールブリュット・コレクションをゆっくり再訪した。
ほとんどの作家は、貧しい農家の出であることが印象的だ。
美術の教育どころか、普通の教育もままならなかった例も。
しかし、こうしたことは、19世紀末から20世紀中頃までは、ずっと普通のことだったのだろう。
困窮や悲傷が、心を折ったり割ったりするのだろうか。人の心は、無限の想像力を持っているが、
それはこうして何らかの形で表現され、見られ、聴かれる必要があるのだろうか。
詩や物語や音楽を生み出した例もあるから、朗読や演奏も聴きたいものだと思った。
一枚、とてつもない作品があり、
それは作者の自伝だが、その名も書かれていることも一切確認できないと言う。
この作品だけが、この人の存在の証なのだ。
それも、客観的な存在の事実ではなく、この人がかく語ったということを証するもの。
親切なスタッフの方が、カタログを探してくれ、しかも該当ページを撮影してもよいと言ってくれた。
フランス語は読めないので、誰かの力をかりねば・・・。