沖縄から2人目の友人が来ていて、知床に行こうじゃないかという話なりました。
途中、標津を通った時に、サーモン科学館に寄りました。
鮭の遡上の季節かなと気になっていたので。
北海道に来て、必ず見たいものの一つでしたから。
科学館がそのほとりに立っている川には堰が設けられ、遡上してきた鮭は一網打尽でした。
川岸に生簀があり、姿は見えないが、尾や鰭が水を叩く音がしていました。
人の手で孵化され殖やされたものであったとしても、還ろうという魚の心は、それ自身のものです。
体はすでに朽ちかけていて、ゆったりとしてみえる流れをずっと遡ってくるエネルギーの凄みを感じた。
……皆さんもご承知のように、ミシシッピ川は、家や居住可能な土地を作るために、ところどころ流れをまっすぐに変えられました。川はときに氾濫して、これらの場所を水浸しにします。「氾濫」という言葉が使われますが、実際のところ、氾濫ではなく思い出すことです。かつていた場所を思い出すことです。すべての水は完璧な記憶を持っていて、絶えずかつての場所に戻ろうとします。作家も同じです……(トニ・モリスン)