前半のグループの実習が終わった。
人数が多すぎて、個別に関わる時間がなさすぎたため、
最後に作品提出とともにA4一枚のエッセイを課した。
その内容に、少々驚かされたんである。
「今回の作業を通して図工の楽しさを初めて実感できた」
「今回の授業は絵に対して持っていた感情をよくしてくれ、初めて絵を描いていて楽しいと感じた」
「努力すればしただけのよい作品をつくることができるということを実感できた」
この授業に臨むにあたっては、幕の内弁当的にlittle bit of everythingを与えるのではなく、
歯が折れるほど(そうでもないか…)のものを与えて、しっかり噛ませること、
冗談交じりで、「全員美術を嫌いにさせる」ほどに厳しく取り組ませる、
と思っていたのだが…
結果は意外にも、上記のような反応がほとんどだった。
嬉しい誤算?
でも「的確なアドヴァイスをもらえたことがなく」「負の連鎖」にハマってきたという告白と、
「小学校から専門教員を全ての学校に配置すべき」という感想は、
裏を返せば、厳しくあっても的確かつインスピレーションを与えるような指導があれば、
多くの子どもたちが描画すること・芸術することに夢中になれるということでもある。
それにしても、意外であった。
この学校に来て、相当にフラストレーションがたまっていたのだが、
今回のことで、ぼくも初めてこの学校で指導することが楽しいと感じたし、意義を実感できた。
毎回、クタクタになるまで粘った甲斐があったもんである。